多子世帯大学無償化の申請結果通知が、2025年7月初旬頃から順次届き始めている大学が多く、不採用となってしまい驚いている方も多いようです。
「申請不採用の原因はなぜ?」
「不採用後は再申請できるの?」
「問い合わせ時に気を付けるべきことは?」
など、気になる点が多くありますよね。
そこで今回は以下の内容で記事をまとめたので、ぜひ最後までご覧ください!
▶【多子世帯大学無償化】申請不採用の原因と対処
▶【多子世帯大学無償化】申請不採用後の再申請について
▶【多子世帯大学無償化】問い合わせ時のポイントや注意事項
【多子世帯大学無償化】申請不採用の原因
さっそく、多子世帯大学無償化の申請が不採用となる主な原因について、まずは確認していきましょう。
考えられる主な原因は以下のとおりです。
1. 扶養人数・多子世帯要件を満たしていない
2. 成績・学力基準未達
3. 申請手続きの不備
4. その他の注意点
それぞれ詳しく見ていきましょう。
原因1. 扶養人数・多子世帯要件を満たしていない
多子世帯大学無償化の「扶養人数・多子世帯要件を満たしていない」ことによる不採用の原因は、以下のように整理できます。
- 「3人以上の子どもを同時に扶養」が絶対条件
「多子世帯」とは、親など生計維持者が3人以上の子どもを同時に扶養している世帯を指します。
この「扶養」とは、税制上の扶養親族としてカウントされていることが基本です。たとえば、大学生・高校生・中学生など、年齢や在学形態は問われませんが、扶養控除申告書や住民税情報で「扶養」と認定されている必要があります。 - 判定時点は「毎年12月31日」
基準となるのは、申請前年の12月31日時点での扶養状況です。
たとえば、2025年度申請なら2024年12月31日時点で3人以上を扶養していることが必要です。 - 「扶養から外れる」と全員対象外に
兄や姉が就職・卒業・収入増などで扶養から外れた場合、扶養人数が2人以下となると、他の兄弟姉妹も含めて全員が支援対象外になります。
逆に、新たに子どもが生まれた場合は、住民税情報の確定後に人数を加算できることもあります。 - 扶養人数のカウント方法
「生計維持者の子」で「生計維持者より年下」の人がカウント対象です。
複数の生計維持者がいる場合は、住民税情報で扶養親族数を合算して判定します。
よくある不採用事例を以下でまとめました。
・扶養控除申告書の未提出や記載ミスで、扶養人数が正しくカウントされていない
・兄弟姉妹が扶養から外れたことに気づかず申請した
・扶養人数の基準日を誤認していた
(例:申請時点では3人だが、基準日には2人だった)
このように、「同時に3人以上を扶養」していないと多子世帯無償化の対象外となってしまい、兄弟姉妹の扶養状況の変化は全員の支援可否に影響が出てしまいます。
原因2. 成績・学力基準未達
多子世帯大学無償化の「成績・学力基準未達」による不採用の原因は、以下のような内容です。
また、2025年度以降の出席率・単位取得・GPAなど、一定の学業要件の基準は以下のとおりです。
警告(支援継続) | 廃止(支援打ち切り) | |
---|---|---|
授業出席率 | 8割以下(15回中3回以上欠席) | 6割以下(15回中6回以上欠席) |
修得単位数 | 7割以下(例:2年生43単位以下) | 6割以下(例:2年生37単位以下) |
GPA(成績評価) | 所属学部の下位4分の1 | 警告2回連続該当(GPAのみの場合は支給停止) |
新入生では高校の成績(評定平均3.5以上など)が基準となる場合があります。
このように、多子世帯であっても成績基準を満たさない場合は支援対象外となるため、制度利用には学業成績の維持が不可欠です。
大学や学部によって細かい基準が異なる場合があるため、必ず自分の大学の学生支援課や公式案内で最新の基準を確認してください。
原因3. 申請手続きの不備
多子世帯大学無償化の申請で「申請手続きの不備」による不採用となる主な原因は、以下のようなものがあります。
また、具体的な事例を以下でまとめました。
・扶養控除申告書の未提出や、扶養人数の記載ミス
・成績証明書や住民税課税証明書の添付忘れ
・申請書類の記入漏れや誤記載
・申請期間を過ぎての提出
・JASSOのオンライン申請での入力ミスや必要書類の未アップロード
申請手続きの不備は、最も多い不採用理由のひとつです。
大学やJASSOの案内をよく読み、早めに準備・確認を行うことが重要です。
4. その他の注意点
多子世帯大学無償化制度を利用する際のその他の注意点は、以下の通りです。
- 「同時に3人以上扶養」が絶対条件
たとえ子どもが3人以上いても、1人でも扶養から外れると全員が支援対象外になるため、兄や姉の卒業・就職・収入増加などによる扶養外れには特に注意が必要です。 - 扶養の基準は税制上の「扶養親族」
年齢や在学形態は問わず、住民税情報や扶養控除申告書で「扶養」と認定されていることが必要です。 - 支給額には上限がある
授業料・入学金の全額が無償になるわけではなく、支給額には上限が設定されています。 - 対象校の確認が必要
制度の対象となるのは、文部科学省が認定した大学・短大・高専・専門学校のみです。
進学先が対象校かどうかは事前に必ず確認してください。 - 給付型奨学金との併用可
多子世帯無償化制度は、給付型奨学金との併用が可能です。
世帯年収によっては給付型奨学金の支給額が変動します。 - 申請期限・手続きミスに注意
申請は毎年決められた期間内に行う必要があり、遅れると受給できません。
書類不備や記載ミスも不採用の原因となるため、手続きは慎重に進めてください。 - 扶養状況の変動には早めに対応を
扶養人数が減る可能性がある場合は、家族全体の進学・就労計画を事前に検討し、必要に応じて大学や自治体に相談しましょう。
これらの点に注意し、家族全体の進学・就労計画と申請手続きをしっかり管理することが、制度を最大限に活用するためのポイントです。
【多子世帯大学無償化】申請不採用の対処
多子世帯大学無償化の申請が不採用となった場合の対処法は、次の手順が重要です。
- 不採用の原因を必ず確認する
大学の窓口や担当者に問い合わせ、具体的な不採用理由(扶養人数・収入要件・成績要件・書類不備など)を確認してください。
スカラネットや通知書に理由が明記されていない場合も多いので、直接大学に確認することが大切です。 - 書類や申告内容の見直し・修正
扶養控除申告書の提出漏れや記載ミス、確定申告内容の誤りが原因の場合、必要に応じて確定申告の修正や書類の再提出を検討します。
次回申請までに、家族の扶養状況や申告内容を正確に整えておくことが重要です。 - 異議申し立ての検討
不採用理由に納得できない場合は、大学窓口で異議申し立てが可能です。
担当者と面談し、成績証明書や扶養人数に関する証拠書類を準備して、冷静かつ論理的に説明しましょう。 - 次回申請・在学採用への備え
不採用となった場合でも、次回の申請時に再度手続きが可能です。
予約採用で不採用だった場合は、在学採用(追加募集)で再申請できる場合が多いので、大学の学生支援課や公式サイトで申請時期を確認してください。
ただし、今回発生した費用(入学金や前期授業料など)は支給対象外となることが多いので、早めの対応が必要です。 - 今後のスケジュールと手続き確認
大学側としっかり連携し、今後の進行や必要な手続きを理解しておくことが大切です。
申請内容や手続きに不安がある場合は、早めに相談・確認を行いましょう。
【多子世帯大学無償化】申請不採用後の再申請について
ここまでの不採用となる原因に該当しないのでは?と思い、申請の不採用通知に納得がいっていない方もいますよね。
多子世帯大学無償化の申請が不採用となった場合の再申請については、以下の点で詳しく見ていきます。
・年度内の再申請はできるのか?
・再申請の条件や手続き方法は?
・再申請時の注意点
年度内の再申請はできるの?
今年度は制度初年度で申請漏れが多発したため、文部科学省が全国の大学に再受付を行うよう通知を出し、5~6月にかけて多くの大学が追加申請や再受付期間を設けました。
ただし、再受付や追加申請の期間は大学ごとに異なり、すでに終了している場合もあります。
また、すでに申請済みの方は重複申請できません。
・年度内の再申請は、追加受付や在学採用の機会があれば可能
・具体的な再申請の可否や時期は、必ず所属大学の学生支援課や公式サイトで確認してください
・申請受付期間外は原則受付不可ですが、特例として再受付が行われる場合がある
・秋の在学採用(追加募集)も再申請のチャンスとなる
このあたりは大学によって違うので、必ず確認することが必要です。
再申請の条件や手続き方法は?
多子世帯大学無償化の再申請の条件や手続き方法は、以下の通りです。
・「同時に3人以上の子どもを扶養している」こと
・学業要件を満たしていること
・資産要件(3億円未満)
・対象校に在籍していること
当然ですが、不採用理由が解消されていない場合は再申請しても採用されません。
申請期間や必要書類は大学ごとに異なるため、必ず最新情報を確認しましょう。
再申請時の注意点
多子世帯大学無償化の再申請時の注意点は、以下の通りです。
- 必ず自分で手続きを行うこと
制度は自動適用ではなく、日本学生支援機構(JASSO)の給付奨学金に再度申し込みが必要です。
書類の受け取り・提出は学生本人が行う必要があります。学生証の持参も求められる場合があります。 - 申請期間・締切を厳守
申請期間や再募集の締切は大学ごとに異なり、一度締切を過ぎると受付不可となります。
申請時期は大学の学生支援課や公式サイトで必ず確認してください。 - 必要書類・条件を再確認
扶養人数や資産・学業要件などの条件を必ず再確認し、要件を満たしていない場合は再申請しても採用されません。
必要書類(扶養控除申告書、住民税課税証明書、成績証明書など)に不備がないか、記載ミスがないかも確認しましょう。 - 学業要件の維持
出席率、単位取得数、GPAなど学力基準を満たしているかを再度チェックしてください。
基準を下回ると警告や支援打ち切りとなる場合があります。 - 支援内容の誤解に注意
「無償化」といっても全額免除ではなく、国が定める上限額までの減免であることを理解しておきましょう。
入学金や授業料の返金タイミング・対象範囲も大学によって異なります。 - 対象校であることを確認
進学先や在籍校が文部科学省の対象校一覧に入っているかを事前に確認してください。 - 再申請は一度だけのケースも
既に申請済みの方や、再募集で申請した方は重複申請できない場合が多いので注意してください。
【多子世帯大学無償化】問い合わせ時のポイントや注意事項
多子世帯大学無償化について問い合わせを行う際のポイントと注意事項を以下でまとめました。
- まずは大学の奨学金担当窓口に相談
最初の相談先は在籍大学の奨学金担当窓口や学生支援課です。
申請手続きや不採用理由、再申請の可否など、大学ごとに運用が異なるためまず自分の大学で確認しましょう。 - JASSO(日本学生支援機構)への問い合わせ
大学で解決しない場合や、全国共通の制度内容についてはJASSOの相談窓口を利用します。
【JASSO奨学金相談センター】
電話:0570-666-301(ナビダイヤル)または03-6743-6100
月曜~金曜 9:00~20:00(土日祝・年末年始除く)
※11時~17時が比較的つながりやすい時間帯です。 - 問い合わせ前に確認・準備しておくべきこと
▶自分の状況を整理しておく
申請者本人の氏名・学籍番号・在籍校・申請時期・申請内容・不採用理由(分かる範囲で)をまとめておくとスムーズに対応してもらえます。
▶必要書類や申請履歴を手元に用意
申請書控え、成績証明書、扶養控除申告書など、問い合わせ時に参照されることが多いです。
不明点があれば、遠慮せず早めに相談することがトラブル回避のポイントです。
まとめ
今回は『[多子世帯大学無償化]申請不採用の原因と対処まとめ!最申請はできる?』について紹介しました。
▶【多子世帯大学無償化】申請不採用の原因と対処
「原因」
1. 扶養人数・多子世帯要件を満たしていない
2. 成績・学力基準未達
3. 申請手続きの不備
4. その他の注意点
「対処」
1.不採用の原因を必ず確認する
2.書類や申告内容の見直し・修正
3.異議申し立ての検討
4.次回申請・在学採用への備え
5.今後のスケジュールと手続き確認
▶【多子世帯大学無償化】申請不採用後の再申請について
2025年度の多子世帯大学無償化については、年度内の再申請(追加受付・在学採用)は可能な大学が多い状況です。
ただし、再受付や追加申請の期間は大学ごとに異なり、すでに終了している場合もあります。
▶【多子世帯大学無償化】問い合わせ時のポイントや注意事項
1.まずは大学の奨学金担当窓口に相談
2.JASSO(日本学生支援機構)への問い合わせ
3.自分の状況を整理しておく
4.必要書類や申請履歴を手元に用意
最後までご覧いただきありがとうございました!