ウクライナの首相と大統領はどっちが偉い?違いは?わかりやすく解説!

ウクライナの首相と大統領はどっちが偉い?違いは?わかりやすく解説! トレンド


ウクライナの首相が、2022年にロシアの侵攻が始まって以来初めて代わったことで注目を集めています。

新首相のスビリデンコ氏は39歳と若く女性首相の誕生と大きく報道されていますが、そもそもウクライナには首相と大統領が存在し、どっちが偉いのかや違いについて疑問を持っている方も多いですよね。


そこで今回は以下の内容で記事をまとめたので、ぜひ最後までご覧ください!

この記事でわかること


【ウクライナ】首相と大統領はどちらが偉いのか

【ウクライナ】首相と大統領の違い

新首相「ユリヤ・スビリデンコ氏」について

国ごとに首相と大統領の偉さや役割に違いがあるのか



【ウクライナ】首相と大統領はどっちが偉い?

画像引用:産経新聞


さっそく、ウクライナで首相と大統領はどちらが偉いのかについて見ていきたいと思います。

ウクライナでは「大統領の方が首相より地位・権限ともに上」です。


ウクライナで「大統領の方が首相より偉い」とされる理由は以下のとおりです。

  • 大統領は国家元首、首相は政府のトップ

    大統領
    国の象徴」=国家元首であり、外交や安全保障、軍の最高司令官など国の最重要分野で全体を統括します
    首相
    政府(内閣)の長」として、主に国内行政や経済政策の実務を担います

  • 大統領は国民の直接選挙で選ばれる

    大統領は国民の投票によって選ばれるため、民意の強い信任を背景に権限を持ちます
    首相は、議会の同意と大統領の指名によって就任し、間接的に選ばれる立場です。

  • 人事権や罷免権など「任命する側」と「される側」

    大統領は首相や各大臣を任命・罷免する権限を持つ、いわば「上司」です
    首相は、大統領の提案や指示のもとで行政運営を執行します。

  • 国の安全保障・外交を主導

    大統領は軍の最高司令官として、戦争や平和、外交交渉の最終決定権を持ちます

  • 法律や憲法上の位置づけ

    ウクライナ憲法上、「大統領は元首として国家を代表し、国民の権利・自由も守る最高責任者」と明記されています
    首相の権限は、主に内閣を運営することに限定されています。


わかりやすく会社で例えると?

ウクライナの大統領は『社長』として会社全体の代表・最終責任者
首相は『本部長・事業部長』として各部門を動かし、社長の戦略を会社現場で実現するキーマンといったイメージ。


ウクライナの大統領と首相の関係を、会社組織に例えると以下のようになります。

立場会社で例えるなら主な役割やイメージ
大統領社長(CEO/代表取締役)会社全体の方向性・戦略決定、経営トップ、重要な人事や大事な交渉の最終決定
首相部長・事業本部長日々の現場運営、担当部門(例:営業本部や管理部門など)の統括・実務執行


このように、大統領がトップ(社長)、首相はその下で実際に組織を動かす現場トップ(本部長・部長)という関係で捉えると分かりやすいです。

大きな決定や対外的な代表は『大統領』、日々の現場マネジメントと実行は『首相』という役割分担が、ウクライナの政治体制です。

【ウクライナ】首相と大統領の違い


ここではウクライナの首相と大統領の違いを深掘りしていきます。

まず、両者の役割や権限について表にわかりやすくまとめました。

役職立場主な役割権限・特徴
大統領国家元首国の代表、外交・安全保障・国防の最高責任者国民の直接選挙で選出、首相や閣僚の任命・罷免権、軍の最高司令官
首相行政府の長行政・経済政策の実務執行、内閣のまとめ役大統領の指名と議会の同意で就任。内閣(政府)のリーダー


大統領は外交や安全保障、軍の最高指揮権など、国家全体の方向性や重大事項で最終的な決定権を持ちます。

そして首相の主な役割は政府の管理運営、内政の調整と執行です。

このようにウクライナでは、大統領が首相より地位も権限も大きく、国のトップとして大方針を決める存在である一方、首相はその方針に沿って内閣や行政の現場を指揮する、実務面の責任者という違いがあります。

【ウクライナ】首相と大統領の選ばれ方の違い


ウクライナの首相と大統領の選ばれ方の違いは以下のとおりです。

役職選ばれ方詳細ポイント
大統領国民による「直接選挙」– 満18歳以上の有権者が全国規模で投票
– 2回投票制:1回目で過半数未達の場合は上位2名で決選投票
– 候補者は35歳以上、過去10年国内居住、ウクライナ語要件あり
首相大統領が指名し、議会の「同意」で選出– 首相候補を大統領が指名
– 最高会議(議会)が承認して正式決定
– 国民による直接選挙は行われない


大統領は国民の直接選挙で選ばれ、広範な民主的正当性を持ちます。

首相は大統領の指名と議会の承認による『間接選出』で、主に行政部門のトップです。

このように、ウクライナの首脳2役は「選ばれ方」からその性格と役割が大きく異なります。

【ウクライナ】首相と大統領の任期の違い


ウクライナの首相と大統領の任期の違いについては以下のとおりです。

役職任期選び方再選・任期の制限
大統領5年国民の直接選挙最大全2期(連続2期まで)
首相明確な任期規定なし(慣例的に大統領と同時期が多い)大統領が指名し、議会(最高会議)の同意で就任憲法上の任期制限なし


詳しい解説は以下でまとめました。

任期の違い


大統領の任期

・国民による直接選挙で選ばれ、「5年」ごとに改選されます。
・憲法で「連続2期まで」と明確に上限が定められており、最長でも10年までです

首相の任期

・ウクライナ憲法では「何年」といった具体的な任期は定められていません。
・原則として議会(最高会議)の信任を受けて存続し、不信任や大統領の指名によって交代します
・大統領が交代すると内閣(首相を含む全大臣)は総辞職するため、実質的には政権交代ごとに大きく入れ替わることが多いです。


新首相「ユリヤ・スビリデンコ氏」について

画像引用:時事通信社


2025年7月17日、ウクライナの最高会議(議会)がスビリデンコ氏の首相就任を正式に承認しました。

ここでは、ウクライナ新首相「ユリヤ・スビリデンコ氏」について紹介していきます。

ウクライナ新首相「ユリヤ・スビリデンコ氏」プロフィール


ウクライナ新首相 ユリヤ・スビリデンコ氏のプロフィールは以下のとおりです。

名前ユリヤ・アナトリイーヴナ・スビリデンコ(Юлія Анатоліївна Свириденко)
生年月日1985年12月25日
年齢39歳(2025年7月時点)
出身地チェルニーヒウ州チェルニーヒウ
学歴キエフ国立貿易経済大学(独占禁止管理学位)
現職ウクライナ首相(2025年7月17日就任)


ロシア侵攻下での初の首相交代となり、「若手・女性リーダー」として国内外の注目を集めています。

ウクライナ新首相「ユリヤ・スビリデンコ氏」経歴


ウクライナ新首相 ユリヤ・スビリデンコ氏の主な経歴は以下のとおりです。

主な経歴


2020年5月:ドンバス和平関連代表
ゼレンスキー大統領より、東部ドンバスに関する三国間連絡グループ(ウクライナ・OSCE・ロシア)の社会経済問題担当ウクライナ代表に任命

2020年12月:大統領府副長官
ウクライナ大統領府副長官に就任

2021年11月:第一副首相兼経済発展貿易大臣
国会(最高会議)の承認を得て、第一副首相および経済発展貿易大臣に就任

2025年7月:首相就任
2025年7月14日にゼレンスキー大統領から首相に指名され、7月17日に最高会議で262票の賛成を得て第19代ウクライナ首相に就任。


ユリヤ・スビリデンコ氏は経済分野での実務能力が高く、アメリカとの鉱物資源協定交渉など、外交・経済分野で中心的な役割を果たしてきました。

経済官僚としての経験と交渉力を背景に、ウクライナ新時代のリーダーとして大きな期待を集める39歳の若き女性首相です。

ウクライナで女性や若い首相が誕生したのは珍しいこと?


今回ユリヤ・スビリデンコ氏が首相に抜擢されたことに関して、ウクライナでは女性や若い首相が誕生したことは珍しいことなのかが気になりますよね。

女性首相は「きわめて珍しい」と言え、「若い首相」も例外的とされています。


過去にはユーリヤ・ティモシェンコ氏(2005年・2007~2010年)が女性として初めて首相に就任しましたが、今回のユリヤ・スビリデンコ氏は史上2人目の女性首相となります。

また、過去の首相は多くが50代~60代で就任することが一般的だったため、「若さ」と「女性」という両面で異例のリーダー誕生です。

国ごとに首相と大統領の偉さや役割に違いはある?


国によって「首相」「大統領」の役割や力関係は大きく異なります。

その主なパターンと特徴は下記のとおりです。

  • 大統領制(例:アメリカ)
    ・大統領が「行政の長」として最大権限を持つ。
    ・強力なリーダーシップ、軍の最高司令官、議会とのバランス重視。

  • 半大統領制(例:フランス・ロシア・ウクライナ)
    ・大統領は外交・軍事や国家方針で強い権限。
    ・首相が行政の現場(内政・経済政策)を担当し「2トップ体制」。
    ・危機管理や人事権は大統領に集中する傾向。

  • 議院内閣制(例:日本・イギリス)
    ・議会多数派が政権を握り、首相は行政トップかつ実権を持つ。
    ・天皇や国王は儀礼的で実際の権限はほぼ持たない。

  • 議会選出・象徴大統領型(例:ドイツ・インド)
    ・大統領は議会が選び、主に儀礼的・象徴的役割。
    ・現実の政治運営は首相が担い、「議会のリーダー」が最大実権を持つ。


世界には「大統領が実権者」「首相が実権者」「大統領と首相が分担」「首相しかいない」など、様々なパターンがあります。

その国の歴史や政治文化、体制に応じて両者の強さ・役割は大きく異なります。

まとめ


今回は『ウクライナの首相と大統領はどっちが偉い?違いは?わかりやすく解説!』について紹介しました。


【ウクライナ】首相と大統領はどちらが偉いのか
 ウクライナでは「大統領の方が首相より地位・権限ともに上」です。

【ウクライナ】首相と大統領の違い
 ・大統領
 外交や安全保障、軍の最高指揮権など、国家全体の方向性や重大事項で最終的な決定権を持ちます。
 ・首相
 主な役割は政府の管理運営、内政の調整と執行です。

新首相「ユリヤ・スビリデンコ氏」について
 ロシア侵攻下での初の首相交代となり、「若手・女性リーダー」として国内外の注目を集めています。

国ごとに首相と大統領の偉さや役割に違いがあるのか
 世界には「大統領が実権者」「首相が実権者」「大統領と首相が分担」「首相しかいない」など、様々なパターンがあります。
 その国の歴史や政治文化、体制に応じて両者の強さ・役割は大きく異なります。
 


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